VR

「メタバース進化論」を読んだ感想。VTuberがメタバースを解説する本【書評・レビュー】

こんにちは、エフイー(@fe_vwriter)です。

今回は2022年3月19日に技術評論社から出版されたメタバース関連本『メタバース進化論 仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」』を読んだ感想を書いていきます。

「メタバース進化論」を読んだ率直な感想

本書「メタバース進化論」を読んだ率直な感想は、

「メタバース」や「VR」の可能性をより感じ、コンテンツとしての体験の面白さや盛り上がりにワクワクする。

でした。

「メタバース進化論」の制作にあたって行われたソーシャルVR国勢調査というデータを元にした情報や、実際にバーチャル世界を体験しているVTuber本人の今後のメタバースの考察などが面白かったです。

メタバース関連本は多く出ていますが、ユーザー視点で実際にVR体験を日常的に行う方の書いた書籍はより信憑性があり、「あぁ、VRってこういう感じなんだなぁ」というイメージが付きやすいように感じました。

私もまだ体験したことのないソーシャルVRサービスがありましたが、どう言うサービスで、他のソーシャルVRサービスと何が違うのかなどがかなりイメージしやすかったです。

全体を通して、技術やサービスの紹介を分かりやすくしつつ、VR内の文化や歴史を紹介されていて、メタバースを内側と外側から解説しており、それを一冊の書籍でまとめ上げた絶妙なバランスが素晴らしいなと思いました。

私自身VRをもっと広めたい、個人で運営している当メディアのバーチャルウェブメディア「エウレカ 」をもっと広めたい、という大きなモチベーションとなりました。

著者の「バーチャル美少女ねむ」とは何者なのか?

本書の著者である、バーチャル美少女ねむさんは「バーチャルでなりたい自分になる」をテーマに活動している世界最古のVTuberです。

今でこそVTuber(ブイチューバー)は大きな事務所を構え、YouTube上でその市場を拡大させ続け、知名度を高えていますが、ねむさんはVTuberという概念自体がまだ定着しきっていなかった2017年から活動を始めています。

影響力を持った今のVTuberは主にYouTubeでライブ配信をしており、「VTuber=YouTubeでライブ配信をする二次元キャラ」 のようなイメージがついていますが、VTuberは元々バーチャル世界で活躍するキャラクター的な解釈をされており、今でもそれを貫き続け、VRの普及やソーシャルVRの普及に貢献しているのがバーチャル美少女ねむさんです。

「メタバース進化論」はこんな人におすすめ

本書「メタバース進化論」は、以下のような疑問を持った人にはなりおすすめです。

・メタバースって結局何?どんなサービス?
・VRで今何ができるの?将来的に何ができるようになるの?
・メタバースはどうやって楽しめる?
・VRChatって何?どういう文化があるの?
・VR、もしくはそれを支える技術はどういうもの?
・VRでコミュニケーションを取るってどういうこと?

この他にもメタバース内の”文化”や”歴史”などあらゆることが学べる本当に素晴らしい書籍です。VR・メタバース関連の永久保存版の書籍だと思います。

「メタバース進化論」で分かること

この本を読めば、VRやメタバースのことが全くわからない人でも

「VRってこういう感じなのか」
「メタバースはこういう世界なのか」
「VR体験はこういうことができる/できないのか」

などがわかると思います。

そして多くの方が本書を読んで、VRやってみたい!と思うはずです。

また、VRの技術的な解説やメタバースの堅苦しい解説ということもなく、実際に著者のねむさんが体験した世界を実体験をもとに紹介してくれるので、よりイメージしやすく読み進めることができます。

「メタバース進化論」章ごとの感想・レビュー

では「メタバース進化論」をの感想文を章ごとに書いていこうと思います。

第一章「メタバースとは何か」

第一章ではメタバースとは何か、メタバースとはどういった要素を含んだものを表すのかを7つの要素に分けて解説しています。

これが非常にわかりやすかったです。現状「メタバース」は様々な意味解釈がされ、メタバースという言葉が一人歩きしている節がありますが、最初にメタバースはこれら7つの要素を含むものを表す、と定義したああとに、ではこのサービスはメタバースか?と解説してあり、メタバースの概念があやふやな人にも非常に理解しやすい内容になっています。

本書では、メタバースを以下の7つの要素を含むものであると定義をしています。

(1)空間性
(2)自己同一性
(3)大規模同時接続性
(4)創造性
(5)経済性
(6)アクセス性
(7)没入性

現状、全ての要素を完璧に満たした「メタバース」は存在しません。メタバースに限りなく近いゲームや最低限のサービスはありますが、私たちが思い描く完成したメタバースの世界はもう少し先になると考えられます。

第二章 「ソーシャルVRの世界」

第二章では、ソーシャルVRとはどういった世界で、どういったサービスがあるのかを丁寧に解説しています。

ソーシャルVRとは、オンラインでVRゴーグルを用いてVR空間に入り込み、アバターを用いてコミュニケーションができるサービスを指します。

▼本書で紹介された4大ソーシャルVRサービス

この4つのサービスは、先ほど紹介したメタバースを構築する7つの要素を最小限満たした”必要最小限のメタバース”と言われています。

ただ、文章でVR内の世界を表現するのは限界があると感じました。VR未体験者が文章だけでメタバースやソーシャルVRの全てを理解するには相当な想像力が必要だと感じます。

VRの敷居の高さと経済性は今後も課題になっていくなと感じました。

VR国勢調査の内容も書かれており、VRユーザーがどのような目的でソーシャルVRを利用するか、などが具体的に分かりました。特に日本のソーシャルVRユーザーの9割近くが男性だったことに驚きました。

Meta社(旧Facebook社)のソーシャルVRサービスである「Horizon Worlds」の現時点での解説なども分かりやすかったです。

Meta社が「Horizon Worlds」をどう言う風にデザインしていくかに、今後のメタバースの未来が委ねられているとも言えます。

第三章 「メタバースを支える技術」

第三章では現在のVR、メタバースを支える技術が解説されています。

VR体験を行うためのVRゴーグルや、専門的な知識を分かりやすく噛み砕いて解説しています。VR(バーチャルリアリティ)の歴史にも触れられており、VRがいかに広がり、今のメタバースへとつながっていくかも理解しやすいと思います。

トラッキングやアバターの解説もあり、VR内にいる人がどうやって現実の動きをVR内に投影しているか?という疑問が解決できます。

私は現状で個人のアバターを持っていないので、そのうち自分だけのVR用アバターを作りたいなとも思っています。アバター作成は一般ユーザーにはまだハードルが高く感じました。

「自分のなりたい姿」がはっきりしていないのも私がまだ個人用のアバターを用意できていない理由です。こうなりたい…という願望が少ない人はどういうアバターを身につけるのが良いのか。現実の自分をスキャンしてVR内で利用する人もいるなど、自分がどんなアバターを身につけるかよくわからない人への答えも見つけていきたいと思いました。

VRの3つのリスク(VR酔いリスク・視力リスク・衝突リスク)についても大変分かりやすく解説されていました。

VRのデメリットや問題点も、今後VR市場が拡大していくにつれて話題になることも多くなっていくと考えられます。

第四章 「アイデンティティのコスプレ」

第四章では、アイデンティティのコスプレとして、3つのアイデンティティである

・名前
・アバター
・声

について解説されています。名前、アバター、声はVR内で自由に変えられるアイデンティティとして、様々な調査結果からどういうアバターが好まれているのか、名前や声はどのくらいの割合で変えられているのかなどの調査が非常に面白かったです。

VR内でのアバターに関しては池上英子(著)「ハイパーワールド 共感しあう自閉症アバター」という本でも、仮想空間とアバターの関連性など興味深いお話が展開されています。

私自身”エフイー”として本名ではない名前で活動しています。

現実世界と乖離させ、VR内で”別人になる”ことができるのが仮想世界のユニークな特徴と言えます。

第五章 「コミュニケーションのコスプレ」

第五章では、コミュニケーションのコスプレとして、ソーシャルVR内で日夜どんなコミュニケーションが行われているか解説されています。

非言語コミュニケーションの中でも非接触コミュニケーションの「距離感」と「スキンシップ」に着目して解説されています。

VR内では活発にコミュニケーションが行われており、距離感が物理現実より近くなりやすいという調査結果とともに、VR内でのコミュニケーションについて語られています。

私自身VRChatで初めて会話をしたときは、現実と変わらないような感覚で気づいたら1時間ほど話していました。

またVR内での恋愛や静的なコミュニケーションまで深堀りしており、かなりディープな内容までデータとともに解説されていて面白いです。

現実にいるような感覚でコミュニケーションができるVR空間において、現実と同じような距離感での会話や恋愛、また現実以上のコミュニケーションがVR内で行われるということは、案外当たり前なのかもしれません。

第六章 「経済のコスプレ」

第六章では、経済のコスプレとして、メタバース内でどんなふうに経済が回っていくのか、今後メタバース内で経済的に発達する領域について解説されています。

メタバース内で過ごす人が増えれば、アバアーやファッションの需要は拡大します。ワールドに人が集まれば、広告も置かれ始めることでしょう。

数年後にはメタバースフリーランサー、メタバースノマドワーカーなんかがたくさん生まれ、メタバース内でお金を稼いで暮らす人も大勢出てくると考えられます。

また、最終的にはメタバース内での売買は共通の仮想通貨で行われ、仮想世界に新しい”国”が誕生するのかもしれません。

個人的VRおよびメタバースでは広告が大きな価値を生むと思っています。これまでのインターネットの2次元的広告から、メタバースでは3次元の世界そのものに広告が置かれることになります。

メタバース内の広告は2つに分かれると思っていて、

(1)メタバース内のディスプレイに表示される三次元的広告
(2)メタバース空間内にオブジェクトとして存在する三次元的広告

と分かれると思います。

また、メタバースでの広告は昨今のネット上の「広告=うざい、スキップしたい」というイメージから、「広告=面白い新しい体験、気になるもの」という認識へと移行するフェーズにあるとも考えています。

メタバースが経済的に回るようになるには、まだまだユーザー数が課題です。VRゲームも、VRゴーグルも、ユーザー数が多くなればそれに比例してコンテンツなども増えていきます。

そういう意味では2022年にVRユーザーがどれだけ増えるかは、今後のメタバース経済の拡大を大きく左右するタイミングだと思いました。

第七章 「身体からの解放」

第七章では、ファントムセンス(VR感覚)について深掘りされています。

ファントムセンスとは、「視覚」「聴覚」しか再現されない現在一般的なVR体験中に、本来感じることのないそれ以外の様々な感覚を擬似的に感じる現象のことです。

つまり、現実世界では触られていないのに、VR空間で触れられた部分が実際に触れられたように感じる、というものです。これが非常に面白い。

ファントムセンスとして挙げられるのは

・触覚
・嗅覚
・味覚
・落下感覚
・風の感覚
・温度感覚

などです。

VR未体験者には「そんな感覚があるわけない」なんて思われそうですが、

実際に私もこのファントムセンスを感じたし、あらゆる人にVR体験をさせてきた時も、ファントムセンスと思われる感覚を感じたと言う感想をもらいました。

私が特に感じたファントムセンスは、落下感覚です。VRゲームに、ビルの上で板を渡るというゲームがあるんですが、その板から落ちる時に私は落下感覚を感じました。

現実では床に立っているのに、フワッとした浮遊感と、落下しているという圧迫感を感じました。

この感覚は友人何人かに同じゲームを試してもらった際にも確認できました。

・・・

本書を読んで、改めてVRやメタバースの面白さや可能性を感じました。

ぜひ本書でVRやメタバースの面白さを知って、実際にVRゴーグルを用いてVR体験をしてみてください。

未来が広がり、世界が開ける感覚を味わえると思います。

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