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VRは目に悪い?視力回復する?【VRと視力の関係を徹底解説】

こんにちは、Fe(エフイー)です。

昨今VRは世の中へと着々と認知度を広げ、VR会議やVRオフィスなどの言葉も耳にするようになりました。

しかし認知度が高まることで同時に懸念されるのがVRによる健康面への影響です。

VRを体験するには現在VRHMDを用いて、顔を完全に覆う必要があります。顔を覆って映像を見ることから、視力に影響があるのではないかという問題の声が、VRが広がるとともに目立っていきました。

 

今回はVRが人間の視力にどんな影響をもたらすのかについて解説します。

 

結論から言うと、VRによって視力が下がってしまう可能性は低いです。むしろ視力が上がる可能性があるのです。

 

そもそもの今の若者の視力についてやVRが視力を下げない理由、視力を上げるかもしれない理由や実際に行われた研究を解説していきます。

 

視力が悪い今の若者たち

VRがもたらす視力への影響の前に、今の若者がどのくらいの視力なのかを知っておきましょう。皆さん何となくわかっているかと思いますが、今の若者、小中高生の視力はかなり悪いです。そして小さい頃に悪くなった視力は、大人になったら治ると言うわけではありません。

視力が悪いと言うのは、近視が多いと言うことです。

近視(きんし)は、屈折異常のひとつで、眼球内に入ってきた平行光線が、調節力を働かせていない状態で、網膜上の正しい位置ではなく、もっと手前に焦点を結んでしまう状態。近眼(きんがん、ちかめ)ともいう。

遠方視の場合に、屈折機能が無限遠まで対応できないためはっきり見ることができない。 逆に近方視の場合は支障は少ない。近視は屈折の問題であり網膜や視神経の疾患ではないので一般的に矯正視力が低下するものではない。

(Wikipediaより引用)

 

近視の原因として、よく指摘されているのがゲームのしすぎやスマホの使用などで、近いところを長時間見つめ続けることが多くなったことです。

テクノロジーの進歩でスマートフォンやゲーム類はより高性能に、より面白くなっていきました。しかし一方でそれは、子供だけでなく大人たちも長時間拘束するものになっていきました。

子供の頃、親にテレビからもっと離れて見なさい。と言われた経験はあるでしょうか?

テレビやスマホ、ゲーム類の電子機器の画面から発せられるブルーライトを近距離から浴びることも、視力の低下につながります。

生活習慣や健康に様々な問題点はありますが、最も顕著に電子機器の影響が現れるのは、やはり視力でしょう。

 

VRが視力を下げるという偏見

VRが視力を下げてしまうと言う意見は、一方的な意見であって、真実ではありません。

確かに、頭を覆いその中で映像を見ると言う行為は、視力が下がると言う間違った意見を生み出すのに申し分ない環境と言えるでしょう。それではなぜ、VRでは一概に視力が下がると言えないのか。

VRで視力が下がるだろうと言う意見は、VRHMD内での映像が目から近すぎると思われていることが原因とされます。あんな小さなVRHMDの箱の中で映像を見たら、「目に悪いだろ!」と。この意見は分かりますが、ここに多くの人が勘違いしていることがあります。

後ほど詳しく説明しますが、VRゴーグル内で見る映像は、それがスマホを通した映像だったとしても、実際に手元のスマートフォンを見るよりも遠い距離から映像を見ているのと等しいと言えます。

VRHMDに内蔵されている2枚のレンズを通して映像を見ることで、実際の距離よりも遠い位置からの映像を見ている状況を作り出し、かつ360度の没入感の高い映像が見られるのです。

分かりやすく言うと、パソコンの画面をゼロ距離から撮影した映像を、離れた位置からテレビで視聴しているようなものです。

 

なぜこのようなことが可能なのか、その仕組みを踏まえて説明していきます。

先ほども述べたように、VR映像には二枚のレンズが関係してきます。このレンズを用いたVRでの360度映像を視聴する仕組みにVRで視力が下がらないカラクリがあります。

VRHMDでは、二つの映像を二つのレンズから両目別々に見ることで、立体感を生んでいます。また、このレンズは映像を歪ませるのですが、右目と左目に写される映像を初めから歪ませて、その歪んだ映像をレンズを通してみることで360度の奥行きがある映像の投射ができています。

しかしVRHMDで私たちが見るのは、コンピュータによる人工な映像を左右のレンズから受け取り、脳で合成することによって、現実世界で両目で見る時と同じ立体感を仮想世界で再現しています。

ここで、VRHMDを通してみる虚像は、普通の電子機器などに比べて焦点距離が遠くなります。分かりやすく言うと、VRで映像を見ている時私たちは常に遠くを見ている状況になります。

近視の原因に、長時間使い距離でスマホやゲームを捜査することがありますが、VRはこの近くで見ると言う行為自体が、遠くを見ていると言う行為に置換されています。

これによって、近くのものを長時間見ることがないので、目に受ける影響はスマートフォンやゲーム機より少ないものになります。

ただ、vrhmdのレンズもブルーライトは通しますので、距離が離れるからといって長時間装着することはお勧めできません。VRもスマートフォンやゲーム機器と同じでこまめな休憩が必要です。

 

VRは視力を回復するのか

先ほど述べた様に、VRは焦点距離が遠いため、現実世界で遠くのものを見ているのと同じ状態になります。

これによって、視力が回復する可能性があることがわかっています。

遠くのものを見ることは、近視の改善につながります。そしてVR上では、私たちの人間の脳は遠くのものを見ていると錯覚するため、現実で遠くを見ている時と同じ効果が期待されるのです。

 

VRによる視力の回復は、実際に研究結果が出た例があります。

テクノロジーの開発や映像制作を行う中国・北京の研究機関「アドバンスド・イノベーションセンター」が、HTC社のViveや現Facebook傘下のオキュラス社のオキュラスリフトのように、仮想距離が適切に設計されたVRヘッドセットを装着することで、10代前半の子どもの視力を回復できるのではないか。という見解を発表しました。

オキュラスクエスト2(Facebook oculus)

 

VIVE Cosmos Elite(HTC)

 

アドバンスド・イノベーションセンターの実験レポート

この実験では、一部のケースで子どもの近視と遠視が実際に向上したことが確認できたそうです。これは、VRが子どもの視力にどのように影響するのかを検証する実験データが根拠となっています。

実験は中国在住の9~12歳の子ども計50人を対象に行われました。VRデバイスの仮想画像距離は1.7メートルあり、一般的なスマートフォンなどのタブレット端末の焦点距離(0.3~0.45メートル)と比べると長いです。

研究者たちは、大きな焦点距離が子どもの視力の改善に効果があると考えています。

今回の実験では「Tilt Brush」(Google社のVRお絵かきソフト)が子どもたちの視覚に与える影響をテストされましたが、実験後にほとんどの子どもたちに目の疲労は見られず、視力が変化していないどころか、むしろ視力が向上したという結果が得られました。

子どもたちは実験前に視力測定を受け、VRアプリを20分プレイした後、再度視力測定を受けました。さらに、プレイ開始から40分後と60分後にも視力測定を実施しました。

プレイ後はアプリを見ないようにし、休憩を取り、休憩開始から10分後と20分後に再度視力測定を行いました。

アプリのプレイにはVRヘッドセットとタブレットの両方を使用し、ヘッドセットでプレイした子どもの14%、タブレットでプレイした子どもの7.7%に視力向上が確認されたのです。

今回使用したのがお絵かきアプリで、映像に動きが少なく、より現実に近い形だったのはありますが、仮想映像の距離と時間が目にそれほど疲労を与えることなく、良い影響を与えたと考えていいでしょう。

日本でもTwitter上でVRによって視力が回復した旨のツイートが拡散され反響を呼び、VR情報サイトのMoguLiveさんの記事で紹介されていました。↓

MoguLive:VRを5ヶ月毎日続けて視力が回復  詳しく話を聴いてみた

 

これを機にVRは視力回復の研究に一石を投じました。

しかし、これはあくまで一時的な場合も多く、実験も確証を示したわけではありません。

視力回復という観点から見ると、VRをすればいいとうわけにもいきません。

効果の面で言うと、VRで遠くを見ることではなく、現実世界で外に出て、日光を浴び、そして遠くのものを見る方が効果的でしょう。

 

また、父とも呼ばれるコンピュータ科学者のジャロン・ラニアーが「一番素晴らしいVR体験はHMDを外した瞬間に訪れる」と言う様に、VRの外側に常に素晴らしい体験があることを忘れてはいけません。

しかし、VRが視力回復に役立つかもしれないことは、私たちの生活を変えうる大きな事象であることに変わりはありません。

 

VRが広く普及を続けている今の世の中。VRの使用法や影響などを知っていくことは、これからVRとうまく付き合っていく上で重要なポイントと言えるでしょう。

安心して楽しくVRを楽しむためにも、こまめな休憩は必須です。

 

 

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