世の中はメタバースへ移り変わるのか?
こんにちは、エフイーです。
昨今VRの認知度が普及を続け、VR上でのライブやイベントも数を増やしてきました。
NFTなどの話題などにより、今注目されているのが「メタバース」です。
今回は、「メタバース」とは何か、どんな世界なのか。またアバターを用いたVRChatで加速するVRとメタバースの未来について解説していきます。
▼本記事は「仮想空間とVR」株式会社 往来(著)を参考にしました。現状でもっともVRについて知ることのできる書籍ですのでぜひこちらもご覧ください。
メタバースとは何?
早速「メタバース」とは何かを解説していきます。
メタバースという言葉は幅広い意味を持ち、人々がインターネット経由でアクセスできる共有の仮想空間の全般を表します。故に様々な解釈が可能で、意味自体がはっきりしていない部分があります。
・メタバースとは、オンライン上に構築された3DCGの仮想空間のこと。
・メタバースは、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)技術を使い、より現実世界に近づけたデジタル空間を指すこと。
・ゲームの世界を説明するのにメタバースという言葉を使うこともある。
以上のような説明が様々な場所で展開されています。広い意味で「メタバース」とは、デジタル上のもう一つの世界、また仮想世界及び拡張世界の中に作られた現実とほぼ同じ機能を持った世界、となります。
より定義付けて解説するとすれば、メタバースは仮想世界、サイバースペースなどと称される世界において、特に以下の4つの条件に当てはまるものが該当します。
1.3次元のシミュレーション空間(環境)を持つ
2.自己投射性のためのオブジェクト(アバター)が存在する
3.複数アバターが、同一の三次元空間を共有することができる
4.空間内に、オブジェクト(アイテム)を創造することができる
以上の4つを含む世界を一言で言うと、「自分の行動に応じて変化するゲームの世界のようなもの」です。サマーウォーズのOZの世界や、龍とそばかすの姫の世界をイメージすると分かりやすいと思います。
誰しも一度は考える「ゲームの世界に入りたい」という願望を叶えてくれる世界こそ、メタバースなのです。
メタバースという言葉が普及するより前から、PCやゲーム機のオンラインゲームなどの大小さまざまなフィールドの3次元プラットフォームは存在していましたが、ゲームのストーリーが決まっていたり、世界観やルールが決まっていたりと、メタバースに比べて自由度が低いものでした。
「メタバース」そのものの言葉は1992年の小説「スノウ・クラッシュ」で有名になりました。
30分以内に配達できなければ、死が待っている…マフィアが経営する高速ピザ配達フランチャイズの“配達人”ヒロ・プロタゴニストは、世界最高の剣士にして、腕ききのハッカー。仮想空間のメタヴァースでスノウ・クラッシュと呼ばれる新種のドラッグを試してみないかと誘われたことから、とんでもない事件にまきこまれていくが!?近未来のアメリカをスピーディに駆けるハッカーたちの活躍を描くネット世代のためのSF。
(Amazonより引用)
また、未来ビジネス図解 仮想空間とVRにおいては、メタバースは「社会性を備えたVR体験のこと」と表現されています。
VR世界の中で、人がコミュニケーションをとり合い、現実の人間社会と同じようなものを、VRの世界で楽しめつつ、現実世界におけるあらゆる制約に囚われないことが、メタバースの魅力といえます。
NFTやブロックチェーンによって、このメタバースはさらに広がっていくと考えられています。
メタバースに最も近いVRChat
2021年現在メタバースに最も近いと言われているサービスが、VRChatです。
VRChatはアメリカの企業であるVRChat Inc.によって運営されているソーシャルVRプラットフォームです。
2021年10月現在は、SteamまたはOculus Storeにて無料でダウンロードでき、Oculus Quest2やHTC Viveなどに対応したVRヘッドセットを使用して遊ぶことができます。
VR空間のプラットフォームではありますが、VRゴーグルを持っていなくても、デスクトップ版で遊べるため、Windows環境があれば誰でもプレイ可能です。しかし、VRゴーグルで体験するVRChatとパソコンの画面上で体験するVRChatでは没入感に大きな差があります。
VRChatは2017年のリリース以降、VR上で友人と交流したり、Vマーケットなどのイベント会場として利用したりと、2021年現在もその人気を落とすことなく、大きな盛り上がりを見せています。
今ではVR場で交際したり、VRChatのワールド内でVRゴーグルを装着したまま睡眠するなど、多種多様の文化が誕生しています。
VR睡眠のお相手マッチング「いっしょに寝ようよ(仮称)」をラボに上げました。まだまだ製作途中ですが、どうぞよろしくお願いいたします。https://t.co/Wyu8ZGkFkB
— CHIHAYA ちはや (@chihaya_369) October 16, 2021
VRChatはVRとSNSを組み合わせたサービスで、ジャンルはVRゲームではなく、VRソーシャルネットワークサービスになっています。
日本の企業のclusterが運営しているVR内のVRプラットフォームもあります。私が2021年の1月に参加したバーチャル成人式2021もこのclusterのVRワールドで開催されました。
▼バーチャル成人式の様子
VRChat内には無数の「ワールド」と呼ばれるバーチャル空間が存在します。ユーザーはワールドを自分で作成し、イベントを行ったりコミュニケーションをとることが可能です。
VRChatについてもっと知りたい人は、VRChatのワールド紹介や人物紹介をしているウェブマガジンの「バーチャルライフマガジン」をおすすめします。
「バーチャルライフマガジン」はVRChatのワールド紹介や、VR関連の面白い記事を投稿しているウェブメディアです。
VRChatのリアルを見たい!という方は是非一度サイトを訪れてみてください。
アバターによってメタバースが加速する
「アバター」がメタバースを加速させると言われています。
アバターと聞いて、私はアメーバピグやサマーウォーズを思い浮かべました。
特に細川守作品には頻繁に「アバター」が登場します。2012年に公開されたサマーウォーズでは、アバターが仮想世界OZ(オズ)でコミュニケーションを取る様がリアルに表現されていました。
今、そんなサマーウォーズのようなアバターに自分自身がなりきり、仮想世界へ入り込むことが可能になっています。当時映画を見ていた私からすれば、仮想世界に入れることは衝撃的な技術でした。だからこそVR体験を世界中の人に体験してほしいとも思っています。
実際にVR内のアバターの服を販売するアパレルブランドも存在しています。
バーチャルファッションブランド「only 4U」は、BOOTHにて「ノーブルパーティドレス」の一般販売を開始しています。今後はNFTを活用し、リアルとバーチャルどちらでも楽しめるブランドとして展開をするとのことで、仮想世界と現実世界で同じファッションを楽しめるという新しい取り組みが進んでいます。
「only 4U」は、高クオリティMMDで有名な「わらしべ長者」さんをバーチャルファッションデザイナーとして起用したブランドで、現在はVRChatユーザー向けにアバター用衣装を展開しています。
▼only 4Uプロモーション映像
また、外神田商事株式会社もメタバースファッション専門アパレルブランド「ポリゴンテーラーファブリック(POLYGON TAILOR FABRIC)」を開設しました。こちらもVR内と現実の両方で楽しむファッションブランドになっています。
VR内でアバターの衣装を買うだけでなく、現実世界でも同じファッションを楽しめます。
VRとメタバースの今後
VRとメタバースは今後さらに市場を拡大させていくと考えられます。
ブロックチェーンやNFTを用いたメタバースは高い注目を集めていますが、まだまだ狭い範囲での知名度と需要で、大衆化はされていません。
今後様々な企業がメタバースへの参入を始めることで、メタバースをはじめVRに興味をもつ人が増え、徐々に社会に馴染んでいくでしょう。
ブロックチェーン/NFTを用いたメタバースは近い将来、数兆ドル規模の巨大産業となる可能性があると見られており、多種多様な業種の企業が市場への参入をすでに始めています。
特にFacebookは「メタバース」への参入を大々的に発表し、会社名も変更するとのことで、大きな注目を浴びています。
【どうなる】Facebook、来週にも社名変更を計画かhttps://t.co/PKgeuX1U9s
マーク・ザッカーバーグCEOは、現実とデジタルに跨がる仮想空間「メタバース」の覇権を握る方向へと大きく舵を切っており、新社名はそれを意識した名称になるとされる。 pic.twitter.com/xDdP943BnE
— ライブドアニュース (@livedoornews) October 20, 2021
先ほど紹介したように、アバターがデジタルなファッションアイテムを身につけることは当たり前になりつつあり、Gucciやナイキ、ニューバランスなどのファッション関連の大手ブランドがすでにNFTのファッションアイテムを販売しています。
VRやメタバースは店舗や在庫、人件費や場所時間にとらわれず、無限の可能性を秘めており、市場としての魅力が高いため、今後も様々な会社が世界中から参入していくでしょう。
今まで生み出されなかったアイデアやイノベーションが生まれ、新しい価値体験を行えるようになっていくのも時間の問題です。これからのVRおよびメタバースの発展から目が離せません。
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